おにくの日だとつぶやいた人がいた。日課の義務のハードルをせめて極限ぐらいまで下げて、鎖を繋ぐように毎日続けることにしている。犬が拗ねて布団のなかに潜ってしまった。わたしは「方法をわける」ことが今の障壁になっており、とにかく地に足が、ついていないのだと思った。わたしは基本的に逃避者だ。/車に乗っている最中に、光が流れていく高速道路の景色を思い出して、昔よく高速道路に乗っていたかと訊いた。「高速ではないが、同じような信号のない広く、高度の高い道路をよく通っていた」と教えられて、その移動の時間の空（くう）とした印象はずっとわたしに尾を引いているような気がした。待ち時間に本屋へ寄り、『テクノコードの誕生』という本を手にとって少し読んだ。ステンレスラックのような文章だったが、自分が抵抗なく同意できるものが揃っていて、そのような動機で読んでおいた方がよいかもしれないと思った。購入はしなかった。そうして車にのって帰ってきたら、久しぶりに酔っていた。
